痴漢電車さわってビックリ！

新東宝

2011.10.17

とある偶然から女スリ・明日香に腕のいいスリと勘違いされ、強引にコンビを組まされてしまったサラリーマン。言われるままに強盗まで働くようになったある日、彼は明日香にひかれている自分に気づく。だが、明日香はもう彼を巻き込むまいと考えはじめていて…。男を振り回す女につかまった彼の未来と恋の行方は？

作品情報

シチュエーション	電車
ターゲット
見た目
服装
女優
メーカー	新東宝
シリーズ	痴漢電車（新東宝）
収録時間	62分

彼女は毎朝、同じ時間に電車に乗ることが日課だった。混雑する車両の中、慣れたように立ち位置を決め、つり革に手をかけた。その日の朝も、彼女は何事もなく通勤途中のリズムに身を委ねていた。しかし、薄暗い車両の中、ふと視界の隅に感じた不快感。背後から近づいてくる気配。当初はただの混雑と勘違いし、そのまま気を逸らそうとした。しかし、次第にその存在が近づくにつれ、嫌な予感が胸をざわつかせる。彼女は意識的に後ろを振り向くことを避けた。車両の揺れと共に、人々の身体が密着し、もっとも嫌な瞬間が訪れた。腕が彼女の腰に触れ、次第に不自然に密着してくる。彼女はその瞬間、全身が硬直した。なんとか逃れようと考えるが、周りには無関心な顔をした人々しかいない。彼女のその動揺を他人はただの混雑として受け取っている。その後、彼は更に大胆になり、彼女の腕を掴むようにした。まるで何食わぬ顔で立っているかのように、彼の表情には何の緊張もなく、むしろ余裕さえ感じられる。彼女の心臓はどくどくと速く打ち、身動きがとれない。周囲の目が冷たいのが、ますます彼女の恐怖を煽っていった。電車が急停車し、乗客は一瞬よろける。その刹那、彼はなるべく誰にも気づかれないようなおぞましい行為を強行する。彼女の身体が不意に彼に押し当てられ、彼女の意志とは裏腹に動かされる。彼女は逃げたい気持ちと、周囲の視線を意識することの狭間で翻弄され、言葉も出せずに立ち尽くすことしかできなかった。日常の光景の中で起こった異常な事態。どれだけ滞らせようとも、誰もが何事もなかったかのように目を背け続ける。彼女の心の奥底にある惨めさや怒りは、次第に力を失い、ただただ耐えるしかない現実を受け入れることに向かっていた。降りるべき駅が近づくにつれて、彼女は逃げ出すための準備をしていた。扉が開放された瞬間に飛び出そうと、心の中で何度も思い描いた。しかし、彼が最後まで彼女の身体を拘束していた。それは、彼女の決意を試すかのような、嫌らしい笑みさえ浮かべた瞳だった。無抵抗のまま、電車を降りることができたその瞬間、彼女の心に芽生えたのは安堵でもなく、自由でもなく、ただ深い絶望。誰にも気づかれず、ただ彼に許される存在として消えてしまった自分に早くも絶望していた。周囲の無関心な視線の中、彼女は単なる一つの存在として埋もれていく。